「愚者」のカードは、自由や冒険、無限の可能性を象徴するタロットの中でも特別な存在。
タロットリーディングの際に「愚者」が出たら、どんな意味があるのでしょうか?
今回は「愚者」のカードに込められた意味や、正位置・逆位置の解釈、恋愛・仕事・人間関係への影響などをわかりやすく解説します。
タロット「愚者(0番)」のカードとは?基本情報とシンボルの意味

タロットの中で「愚者」は特別なカードとして位置づけられており、その意味はとても深く、多面的です。
ここでは、愚者の基本的なキーワードや絵柄の象徴、そして0番という数字に込められた意味について見ていきましょう。
愚者の基本的な意味とキーワード
タロットカードの「愚者」は、無邪気さや自由、そして新しい旅立ちを象徴するカードです。
【キーワード】:自由・未決定・開放旅立ち・可能性・無計画・変化・直感・純粋さ
このカードは、固定概念にとらわれず、未知の世界へ飛び込むエネルギーを表しています。良くも悪くも「常識にとらわれない」ことがテーマとなります。
絵柄に込められたシンボルの解釈

多くのタロットデッキにおいて、「愚者」は旅人のような姿で描かれています。
- 花柄の服を着た若者:希望に満ちている
- 白い犬:忠誠心や直感、純粋、時には警告
- 崖:冒険の始まり、不安定さ、チャンスとなるピンチ
- ケテル(神)からの光:希望や新しいスタート、祝福されている
これらのシンボルが、未知なる未来へのポジティブな一歩を象徴しているのです。
なぜ「0番」なのか?数字に込められた意味
「愚者」はタロットの中で唯一、番号が0番のカード。これは「始まりも終わりもない無限の可能性」を意味します。
0は何者でもなく、何者にもなれる存在。タロットの旅(愚者の旅)はこの0番のカードから始まり、世界(21番)へと進んでいきます。
ウェイト版の解釈から感じること
愚者は決して「愚かな者」という意味ではないと捉えて良いとおもいます。
描かれている若者は、豪華な衣装を身につけ、顔は知性と夢に満ち溢れている。
崖っぷちに立ってはいるが、その足取りは重力を感じていないかのうように軽く、天使が彼の体を支えてくれているのを知っているかのよう。
=つまり彼は、知性エネルギーも持ち合わせており、自分の内側に湧き上がるワクワクに従って、あらゆる選択を決断することができる・・・そんな解釈ができると思います。
愚者の人物イメージ
正位置の“愚者”は、人生を信じて飛び出す冒険者。
逆位置の“愚者”は、地図を持たずに迷子になっている旅人。
「愚者」正位置の意味と解釈
「愚者」が正位置で現れたとき、それは “未知に飛び込む勇気”や“理由のないワクワク”が、今のあなたに必要だというサインかもしれません。
正位置のキーワード
自由/冒険/無邪気さ/純粋な衝動
正位置の全体的なメッセージ
正位置の「愚者」は、新しい挑戦や自由な行動に対するGOサインです。
固定概念にとらわれず、自分の直感を信じて行動してOKというメッセージを伝えています。
現代社会では、あらゆる選択に“正解”を求めがちです。
たとえば、進学先を決めるのに口コミを調べ、転職するにも将来の年収を比較し、買い物ひとつにもレビュー評価を確認する――。
「それを選んだら、損しない?」「ちゃんと成功できる?」
そんなふうに、成功の保証があってはじめて一歩を踏み出せるような空気が漂っています。
でも、愚者のカードはまったく違うメッセージを伝えてきます。
「損得じゃなくて、“今の自分”がときめく方へ行ってみようよ。」
あなたが子どもの頃、何かに夢中になったときのことを思い出してみてください。
海で貝殻を集めたり、公園で虫を追いかけたり。
誰かに褒められるためでも、何かに役立つからでもなかったはずです。
ただ、「やってみたい」「楽しい」と感じたから。
愚者の正位置は、そんな純粋な衝動を取り戻すことを後押ししてくれます。
情報過多で“考えすぎて動けない”ことが増えた今の時代に、直感や感覚を信じることの大切さを教えてくれるのです。
正位置の恋愛における意味
- 新しい恋が始まる予感
- 好奇心旺盛で軽やかな恋愛
- ただし、深く考えず行動しすぎると関係が浅くなりがち
正位置の仕事・キャリアでの意味
- 新しい仕事、独立、転職などに向いている時期
- 型にハマらないアイデアが評価されることも
- チャレンジ精神が大切になるタイミング
正位置の人間関係・対人運の意味
- 誰とでも気軽につながれる時期
- 柔軟な発想や自由な関係性が吉
- 気楽さゆえに誤解されることには注意
「愚者」逆位置の意味と解釈
一方、逆位置で「愚者」が出た場合、それは“自由”という言葉に隠れた責任放棄や現実逃避への警告かもしれません。
逆位置のキーワード
無計画/現実逃避/不安定/軽率な行動
逆位置の全体的なメッセージ
自由な選択肢が広がる現代では、「とりあえず動けばいい」「やりたいことが分からないから全部試してみよう」という考え方が歓迎される場面も増えました。
でも、愚者の逆位置はその“自由っぽさ”の裏にある不安や混乱を浮き彫りにします。
- なんとなく転職を繰り返しているけれど、どこへ向かっているか分からない
- やりたいことを探してるはずなのに、何ひとつ続かない
- 「自由に生きたい」と言いながら、実は現実と向き合うのが怖い
これらはすべて、愚者の逆位置が暗示するネガティブな側面――選択の責任を引き受けない自由、あるいは「決めないこと」で安心しようとする心理の表れです。
逆位置の愚者は、「その自由、本当に自分の意思から来てる?」と静かに問いかけてきます。
自由とは、好きにしていいということではなく、「自分で決めること」とセットで初めて成立するもの。
その覚悟がないと、自由に見せかけた“迷走”が始まってしまうのです。
逆位置の恋愛における意味
- 気まぐれで安定しない関係
- 相手の気持ちが見えにくい
- ふわふわした関係に終止符を打つ必要も
逆位置の仕事・キャリアでの意味
- 無計画さによる失敗や混乱
- 突発的な転職や独立には注意が必要
- ルールを無視すると信頼を失う可能性も
逆位置の人間関係・対人運の意味
- 無責任に見られている
- 約束を守らない印象を与えてしまうかも
- 気ままな言動がトラブルのもとに
「愚者」が出たときの心の持ち方
愚者のカードが出たとき、私たちはどんな心構えでいるべきなのでしょうか?
ここでは、正位置・逆位置それぞれのシーンにおける心の持ち方と、逆位置でも前向きに捉えられるポイントをご紹介します。
正位置のときに意識したいこと
- 失敗を恐れず、新しいことに挑戦してみましょう
- 「今この瞬間」を大切に、好奇心を行動に移してOK
- ただし、自分の信念や方向性を見失わないことも大切です
逆位置のときに気をつけるポイント
- 直感だけに頼らず、一度立ち止まって考えてみて
- 自分で限界を決めてしまっている
- 現実逃避ではなく、計画的に行動することが大切
逆位置で出たときのいい意味
逆位置でも良い意味として考える必要がある場合、やるべきことがしぼられて集中して取り組めると読むこもができます。
「愚者」のカードが伝えてくれること
- タロットにおける「旅の始まり」としての役割
- 自由と冒険を楽しむことの大切さ
- 恐れず一歩を踏み出す勇気をくれるカード
まとめ
愚者のカードは、私たちに「自分の道を自由に歩もう」と教えてくれる存在です。ここまでのポイントを振り返りながら、最後にメッセージをお届けします。
「愚者」のキーワードと意味の整理
- 正位置:自由・冒険・無邪気・新たな始まり
- 逆位置:無計画・逃避・不安定・責任感の欠如
正位置・逆位置のキーワードにとらわれすぎず、今、どんな冒険を始めようとしているのか? どんな自由を手に入れたいのか? そんな視点でリーディングしてみてくださいね。
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