「ヴィーガン」と聞くと、なんだか難しそう、我慢が多そうという印象を持たれる方も多いかもしれません。私自身、最初にこの言葉を聞いたときは、「野菜しか食べられないの?」「毎日の献立が大変になりそう…」と不安を感じました。
でも、実際に知っていくと、「ただ食材を選ぶ基準が少し違うだけ」「素材を味わう楽しみがある」という、新しい視点に出会えた気がしています。
ヴィーガンとは、動物由来の食べ物をできるだけ避けるライフスタイルのことです。
特別なことに思えるかもしれませんが、実は私たちがふだん食べているものの中にも、ヴィーガン仕様のものはたくさんあります。まずは「何が食べられるのか?」を知ることから始めてみませんか。
そもそも「ヴィーガン」とは?

ヴィーガンとは、肉・魚・卵・乳製品など、動物由来の食品を口にしないライフスタイルのこと。食事だけでなく、革製品や動物実験されたコスメを避けるなど、価値観は人それぞれですが、ここでは食生活に焦点を当ててご紹介します。
「なんだか難しそう」と感じる方も多いかもしれません。でも実は、私たちの身近にはヴィーガン対応の食材がたくさんあります。無理なく少しずつ取り入れていくことで、「おいしい」「体がラク」といったポジティブな発見につながることもありますよ。
ベジタリアンとの違いは?
ベジタリアンは肉や魚を避ける人たちのことですが、多くの場合、卵や乳製品はOKです。
一方、ヴィーガンはすべての動物性食品を避けるのが基本。たとえば、卵・バター・はちみつなども対象になります。
とはいえ、「100%守らなきゃ」と気負わなくて大丈夫。暮らしの中で少しずつ選択を変えていくことも、立派な一歩です。
動物性食品がNGになる理由とは
動物性食品を避ける理由は人それぞれ。よくあるのは、
- 動物を守りたい(倫理的な理由)
- 環境負荷を減らしたい
- 体調や健康を意識して
すべてを完璧にしなくても、「どう生きたいか」を考えるきっかけになるのが、ヴィーガンという選択なのかもしれません。
ヴィーガンが食べられるもの一覧
「食べられないものが多そう」と思われがちですが、実は選べるものはたくさんあります。野菜も、豆も、穀物も、味わい方は無限です。
基本の食材|野菜・果物・穀物・豆類など
ヴィーガンの食事の基本は、植物性の素材。
野菜や果物、きのこ、海藻など、自然の恵みをそのまま味わえるものが中心です。
主食には、お米やパン、パスタなどの穀物類。パンや加工品は卵や乳製品が入っていることがあるので、原材料チェックが安心です。
たんぱく源としては、大豆やひよこ豆、レンズ豆などの豆類が大活躍。豆腐や納豆、みそなど、日本の食卓に根づいた食材も多く取り入れられています。
ヴィーガンOKな調味料と油
基本的な調味料――しょうゆ、みそ、酢、塩、こしょう、ハーブ、スパイスなど――は、ヴィーガンでも使用OK。
注意したいのは「だし」。鰹節や煮干しが入っているものはNGですが、昆布や椎茸のだしならOK。風味豊かに仕上がります。
油は、オリーブオイルやごま油、米油などの植物性油を使います。料理だけでなく、お菓子作りにも活用できますよ。
代替食材ってなに?お肉や卵の置き換え例
最近は、動物性の代わりになる食材=代替食品も充実しています。
たとえば、
- 肉の代わり:大豆ミート、テンペ、車麩
- 卵の代わり:豆腐、ひよこ豆の煮汁(アクアファバ)
- 牛乳の代わり:豆乳、オーツミルク、アーモンドミルク
「置き換え」ではなく「新しい選択肢」として楽しめば、暮らしの幅も広がります。
逆に、食べられないものって?

ヴィーガンの食事では、「これって大丈夫?」と迷うことが少なくありません。とくに最初のうちは、食べられないものを把握しておくと安心です。
よくある動物性食品
基本的に、動物から得られるもの全般がNGとされています。
- 肉類(牛・豚・鶏など)
- 魚介類(魚・貝・エビなど)
- 卵
- 乳製品(牛乳・バター・チーズ・ヨーグルトなど)
これらはわかりやすいですが、加工品や調味料にも含まれていることがあるため、原材料のチェックが欠かせません。
意外と見落としがちな食品
ヴィーガン初心者がつまずきやすいのが、「意外な落とし穴」。見た目ではわからない食品にも、動物性の成分が含まれていることがあります。
たとえば、
- はちみつ:ミツバチ由来のためNG
- ゼラチン:動物の骨や皮から作られる
- 鰹節・煮干し:出汁としてよく使われるが動物性
- 乳由来成分(カゼイン、ホエイなど):加工食品に含まれていることも
「えっ、これもだめなの?」と驚くこともあるかもしれませんが、少しずつ覚えていけば大丈夫。無理せず、知識を増やしながら選べるようになっていけば十分です。
毎日の献立はどうする?初心者向けのコツ

「食材はわかったけど、じゃあ何を作ればいいの?」
そんな声にお応えして、献立づくりのヒントをお伝えします。
バランスの良い献立の考え方
まず意識したいのが、「主食・主菜・副菜・汁物」の4つをそろえること。
動物性を使わない分、ボリュームや栄養が足りるか心配になるかもしれませんが、組み合わせ次第でしっかり満足できます。
たとえば、こんな献立例!
- 主食:玄米ごはん
- 主菜:大豆ミートのそぼろ炒め
- 副菜:ブロッコリーとひじきのサラダ
- 汁物:豆腐とわかめの味噌汁(昆布だし)
調理法はふだんと同じでOK。「炒める」「煮る」「焼く」など、いつものレパートリーをヴィーガン食材で置き換えるだけで、意外と簡単にできてしまいます。
不足しがちな栄養素と対策
ヴィーガン食では、意識して取りたい栄養素がいくつかあります。
- たんぱく質:豆腐、納豆、オートミール、ナッツ、プロテインなどで補給
- 鉄分:小松菜、レンズ豆、黒ごまなどに多く含まれる
- ビタミンB12:体内でつくられないため、強化食品やサプリの利用が安心
必要以上に不安になることはありませんが、「少し意識して摂る」ことが、体を整える第一歩になります。
市販品をうまく活用!おすすめヴィーガン食品
最近は、スーパーやネットショップでもヴィーガン対応の食品が手に入りやすくなっています。
たとえば、
- 無印良品:植物性カレーやスープが豊富
- グリーンカルチャー:動物性不使用のだし・調味料が揃う
- オーサワジャパン:自然派ヴィーガン食品が多数
忙しい日は、これらの市販品をうまく取り入れるだけでも、ちゃんとヴィーガン食が成立します。「頑張りすぎない」ことも、続けるコツのひとつです。
私の体験談|ヴィーガン彼と暮らしてみて
最後に、私自身がヴィーガンのパートナーと暮らす中で感じたことを少しだけ。
ある日突然、「明日からヴィーガンになる」と宣言されたとき、正直とまどいしかありませんでした。何を作ればいいの?何がNGなの?外食はどうする?と、戸惑いの連続。でも、できることから試してみよう、と少しずつ歩み寄ったことで、今では「ふたりでごはんを考える時間」が、ひとつの楽しみになっています。
最初は別メニューで作ることもありましたし、味気なさにがっかりした日もありました。でも、「こうすればおいしくなるかも」と話し合いながら、少しずつ「私たちなりの答え」ができてきた気がします。
今では、豆腐と野菜のグラタンや、ひよこ豆のカレー、オートミールのパンケーキなど、ヴィーガンでも大満足のレシピが増えました。食事を通して、「相手を思いやること」「自分の価値観も大切にすること」を学んでいる気がします。
まとめ|“食べられない”より“楽しめる”食卓へ
ヴィーガンの食事は、「これもだめ、あれもだめ」と制限ばかりに感じるかもしれません。けれど実際には、自然の味を楽しんだり、新しい食材に出会えるチャンスでもあります。
無理に全部変えようとしなくて大丈夫。
週に1回、1食だけでも「植物性のごはん」を取り入れてみることから始めてみませんか?
きっと、気づかないうちに、食卓も心も、少しずつ整っていくはずです。
コメント